これを読まなければフェルセン自身のことやアントワネットとの関係について何も語れまいと思い手にした一冊です。
内容の濃さから例えるならば『読むドキュメンタリー番組』でした。
この本を制作するのにどれくらいの時間と労力が費やされたのかと考えると脱帽します。
自分の中では家宝になっています。
この本はタイトルや表紙からしてアントワネットが主役のように見えますがフェルセンがメインのように思います。
彼の意外な一面や苦悩する様子などが生々しく伝わってきます。内容の後半は一層それが顕著です。
二人の交わした書簡は甘い恋文のようなものかと思いきや、実は……?
この書簡から当時のフランスをはじめとするヨーロッパの情勢が見えてきて、彼らは確かにこの時代を生きた人なのだと改めて気付かされます。
読む価値のある一冊です。
2023/6/28